よもぎ色の秘密基地・別館

人生ポケモン野郎が、語感力無いくせに長文を書きたい時だけ現れる隠れ家 其の2

「宇宙よりも遠い場所」感想③…キャラと各話別感想・総括

記事①で惹かれる理由を、↓

kusamoti.hatenablog.com

記事②でガッツリ考察したので、↓

kusamoti.hatenablog.com

今回は作品ロスが始まってしまう前に、各キャラ・各話毎の印象を殴り書きしただけの記事です!

超普通!そして長い!だからなんだって話だから!

…つまり"読みたい人だけ読んでくれ!"

 

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ーーーーーー主要キャラ個別ーーーーーー

・玉木マリ

「青春モノ」としての主人公、キマリちゃん。

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問題を抱えている他の3人とは違い、主人公としては魅力不足な良くも悪くも普通の子。正直中盤~後半は主人公この子でいいのかな…と思ってしまった時期もあったけど、13話まで見終え、改めて1話を見返した時に気付きました

彼女は常にまっすぐだった。

それだけで十分に魅力的な主人公だったのだ。

 

自分は”主人公としては”天然・控え目・冷静なタイプよりも、情に熱かったり斜め上の事をやってくれるタイプの方が好きだし魅力を感じるのですが、この子を見て改めて考えさせられましたね。この子は”多くの踏み出せない視聴者の体現″であり、主人公とは常に”中心にいる存在”であることを。在り来り過ぎて気付かないとはまさにこの事か…

 

そんなキマリが主人公でなければ、この物語は暗い話も多い事もあり、ここまで楽しく描かれていなかったと思いました。

 

小淵沢報瀬

大きな夢と目標を掲げた「冒険モノ」としての主人公の報瀬。

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…は、語るまでも無いですかね?

上で挙げた自分の好きな主人公の理想像そのもので、喜怒哀楽の激しさと成長を感じられる生き様は、観てるだけでも楽しかったキャラクターです。

当初は他作品でのいわゆる”クールビューティー”的な位置付けだと思っていただけに、週を追うごとにボロが出始めるという起伏の激しいキャラでした

 

メールの件は花澤さんの演技も相まって圧巻の一言。

自分はあの結末を何となく予想していたのにも関わらず涙腺が緩くなりましたが、それよりも「母親の笑顔と彼女の笑顔」に思わずグッときましたね…

 

・三宅日向

明るくて気づかいが出来、考え方も大人びている日向。

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これだけで既に自分の愛キャラ要素満載なのですが、「こんないい子なのに、何故友達がいないんだ…?」と週を追うごとに感じ始めた彼女の謎多き過去は、想像していたものより遥かに辛いもので…。

考察大好きな自分も彼女の細かい台詞や描写から色々読みとってみながら鑑賞したりと、最も作品への想像の幅を広げてくれた存在なんですよね。

 

「人が怖い」「自分が悪い」「自分を貫けない」

…と、内面的な部分では自分を重ねてしまう事が多く、週を増すごとに惹かれていました。

っていうか、結月の母親!日向のルックスが悪いとか本当に見る目あんの!!??

日向に関しては①や②の記事でも触れているので、そちらの記事も参考に。

 

・白石結月

特殊な立ち位置と設定で、この作品ではある意味、一番非現実的な結月。

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かくいう自分も10話を見るまでこの子をよくいる「物語の展開を広げるだけのお嬢様的なご都合キャラ」だと思っていました。…あの頃の自分をブン殴ってやりたいわ!

 

友達?分からなくて当然なんですよ!今まで一人もいなかったんだから!!

友達契約書を引張り出してきた時は、作中で一番胸が締め付けられたシーンです。何故かって?

”真のぼっち”という、作中で私に最も近しい立場の子は他ならぬ彼女だったのだから!

 

そんな子がケーキを渡された時に自然と口から出た”友達”のワードに、お前良かったなぁ、良かったなぁ…!(涙)と僅か1話で親身になっていた自分がいまして。それ以降も”友情”が絡むたびに熱くなっちゃう彼女の姿がただただ微笑ましく、初見から一番印象が変わったキャラでしたね…

 

 

ーーーーーー各話別ーーーーーー

▼1話:「青春しゃくまんえん」

旧ブログでも書きましたが、この1話を観た時に「良かったから次回も観るけど、際立って目立つ面白さは無いかな」という第一印象でした。というかこの時点で、この作品が各々の胸に刻まれる名作になると予知してた人、本当に観る目ありすぎです。

だって本当によくある、二番煎じと馬鹿にされてもおかしくない「普通のプロローグ」なんだから。

 

どの作品にも限らず、第1話って作品に触れる上で一番インパクトを残す事が重要じゃないですか。話題性・売上・継続価値…。しかしよりもいは作品の個性を色濃く出さないといけない筈の1話で「それをやらなかった」。本当に”中身で勝負する”つもりだったんだなぁって感じます。

 

▼2話:「歌舞伎町フリーマントル

仲間を増やして 次の街へ…この作品の”青春成分”を凝縮した様な日向参戦回。

旧ブログの経緯があり、Bパートからこの作品に対する印象が跳ね上がりました

 

「私の青春、動いている気がする!」

この一連の流れを観た時、魅了されて思わずテレビの真ん前に移動してしまった事、何かとんでもない作品に出会ってしまった事への胸の高鳴りは、多分生涯忘れられません。

だから敢えて言おう。彼女達の青春はここから始まるのだから!「動画サイトにある”1話無料”をせめて”2話まで無料にすべき”」だと!!

 

▼3話:「フォローバックが止まらない」

青春は走り出し、いよいよ南極への切符が…結月加入回。

この回を見てご都合主義な展開だと思う方は多いと思う。実際性格の悪い自分もそう感じました。ご都合展開がなければ進まない!というアニメらしい展開へ早々に割り切れたのも、彼女達は最後にちゃんと”夢”ではなく”行動した”からこそ、納得出来た結果なのかも知れません。

 

▼4話:「4匹のイモムシ」

毎回タイトルが斬新ですねw …と書いていて思ったのですが、このタイトルを付けているのは実は各キャラなんですよね(各話の冒頭参照)

 

大人組が本格的に絡み始める「冒険モノ」の側面が表れ始める回です

バトル漫画から表現を借りるなら”修行回”であり、特別印象深い回ではないのですが、意味深な発言や各キャラの性格が色濃く表れ始め、この物語の壮大さや考え方をより一層強めてくれました

 

▼5話「Dear my friend

ん~この話も本当に奥が深い。考えても考え足りない。とりあえず言いたいのは、

「めぐみは本当に、この作品における立ち位置が謎」って事です(いきなり何!?)

 

…改めて考えてみて下さい。正直、物語の本筋とは関係ない子じゃないですか。

”幼馴染役”で悪役を描く必要性も無い。キマリが作中の光だとしたら、下手すりゃ一生名作に残る陰キャラ扱い。

5人目として脱落せざるを得なかったキャラなのか?最後の衝撃に持っていくだけの存在だったのか?その答えはスタッフのみぞ知る事なんですけど、ココで前の記事を思い返してください。

 

そう、めぐっちゃんは視聴者なんです。”我々への問い”なんです!…しっくりきませんか?

彼女が”視聴者の立場”だとしたら

「キマリに対して貴方はどうするか?」です。

つまり…いや、もうここで語らずともいい事でしょう。省いてる訳じゃないよ。考えてね。

 

「自分には何も持っていないから、お前にも持って欲しくない」。わかる。

これはキマリが成長してしまう事を「出発前から既に確信」し、恐れていたからこそなんだよね…。

真の友達だよ、お前らは!

 

▼6話「ドリアンショーへようこそ!」

作中屈指のギャグ回!

…の中に垣間見える”日向の謎”…。

“頭をからっぽにしても十分楽しめる、日常面が強い回”なので、特に語る事は無いけれど

テンポの良さからオチまで”見習うべきアニメの1話”として完成された回ですよね!?

正直、未視聴者に中間地点のこの話を観せただけでも、前後の話が観たくなるのでは…?

 

▼7話「宇宙を見る船」

女子高生を通して大人組の苦悩が”程々に描かれる”、出港前日談。

大人になると感情移入の対象が大人組に傾きやすくなるのも、この作品の万人受けの秘訣なのかもですね。JCだけじゃないぞ、と。

この話もまた深く語る必要はないけれど、今後の展開を連想させる伏線ラッシュでもある為に考察班は捗った回ではないでしょうか。

 

前話のお返しとばかりに、無言で背中を押す日向と報瀬の信頼関係が縮まったシーンにグッときます…

 

▼8話「吠えて、狂って、絶叫して」

慣れない船上での生活が描かれる話であり、「冒険モノ」の側面が色濃く出てる回です

殆どの視聴者に当てはまるだろう「南極という未知(船だけど他の国と違って飛行機で楽々行けないし)」を簡潔に描いてくれるのは分かりやすく、且冒険らしさが表れていていいですよね

 

「一人じゃ辛いけど、皆となら楽しい」

最終回のキマリのシンプル過ぎる台詞…というか総括は、この話の時点で完成されてる気がします

 

▼9話「南極恋物語(ブリザード編)」

このタイトルを付けた主に注目ですw

フザけたタイトルとは裏腹に、似た者同士でもお互い一線を張っている報瀬と隊長の溝に関係してきたりと、①で挙げた一つの終着点でもある重要回。

 

何と言っても報瀬達渾身の「ざまぁみろ!」が印象深いですが、大人組の信念の「ざまぁみろ!」も心に響きます。余談ですが、ED「ここから、ここから」をこの話を観て改めて聞くと、印象がだいぶ変わって聴けますね。

 

▼10話「パーシャル友情」

いよいよ南極での生活が描かれます。

3話以降あまり目立たなかった結月回でもあります。(詳しくは結月の個別キャラ語り↑を)

本編とはあまり関係ありませんが、彼女達の作った誕生日ケーキの材料をよーく見ると…?

 

▼11話「ドラム缶でぶっ飛ばせ!」

あーすき。これすき。いちばんすき。

語りきれないので、①・②の記事を見て下さい。

 

▼12話「宇宙よりも遠い場所

「冒険モノ」としての最終回であり、報瀬の一つの終着点。

目標は果たされた。しかし彼女の時は止まったまま。遺体を見ておらず、死の実感が湧かないのも当然。

一人じゃない、友人達と共に辿り着いたからこそ、見つかったパソコン…

開いたそこには”開かれる事のなかったメール”、

死を受け入れ、彼女が再び動き出した”時間”。

初見時、″まだ″涙とまではいかずとも、ずっと鳥肌立ちっぱなしでしたとも。

 

▼13話「きっとまた旅に出る」

“最終話”ではなく、13話。

正直10~12話で完成された作品が、もう一話使って何するんだろうと不安な面もありました。でもこの話で締めたからこそなんだよね。

 

「次は 君だ」…と。

 

私の涙腺ポイントは別れでもない、オーロラでもない、最後のシーンの衝撃でもない。

 

「キャストとキャラを同時に出す」その演出と全挿入歌ラッシュでした。後に聴いたよりもいラジオでで少し触れていましたが、これこそ①で挙げた「今までありそうで無かった」表現だよね。

その演出に何故涙腺が崩壊したのか分からないけど、理屈じゃない何というか…

”作ったご本人達からも、愛された作品”だった事がそこから伝わってきた気がします

 

 

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~~総評~~

記事①の作品の魅力と重複しちゃうので割合してますけど…

普通に感性で楽しむのも良し、

作品の展開や思惑を探りつつ見るも良し。

どちらか一方に偏りがちな作品は沢山あれど、この両面的な意味合いを持てる作品ってそう多くは無いと思います。(前者は勿体無いとは思いますけどね)

 

 

OPのイントロの魅力にはじまり、

2話でこの作品への期待感から繋がったこの作品との出逢い…。

視聴中、よりもいは5本の指に入るアニメと書いたけれど、全13話を見終えた今だからこそ改めて言えます。

 

思い出補正とか余計なものを取り払って、1つの作品として宇宙よりも遠い場所」は、今まで観たアニメの頂点に位置する作品 になりました。本当に出会えてよかった、心からそう思える作品です!

 

かの「けいおん!」が僕が望んでも手に入れられなかった青春を”埋めてくれた存在”だとしたら、

宇宙よりも遠い場所」はもう成し得ない夢を”上乗せしてくれた存在”ですかね…後に知ったけど脚本家さん同じかよ!?

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長々とこのブログで綴ったのは"物語"としての一部分ですけど、

作画・背景・BGM・伏線・小物の位置・暗喩的な表現・南極や船の知識etc.…人によってはもっと楽しめて、面白さの真髄にも近づけるかもしれませんね。本当にそれだけ魅力的な作品でした。

 

…とまぁ3週間もかけてずらずら書いたり編集したりしてきたけど、作品と決別するために一旦よりもい記事は終了します! 

でも自分はまだまだ何度でも新しい発見求めて観るぞ?聴くぞ!

 

 

 

 

 

 

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【余談】

宇宙よりも遠い場所」に2期はあるのだろうか? って気になりますよね

13話での締め方を見るからに「14話以降の物語の主人公は貴方だよ!」と自分は解釈しており、1ファンとしても「ない」と断言できるのが正直なところです。

心を鬼にして宣言してますが、勿論後日談とか気になり過ぎますよ!?キマリが次に何をするのか、報瀬は隊員を目指すの?とか、日向の家族とか、結月のドラマとか、何より4人の再会とか!

 

可能性があるとすれば、キャストも異様に豪華だった大人組。

個人的にも気になる前観測隊のアフターストーリー(前日談)ですけれど…態々アニメ化するかなぁ

 

まあ少なくとも、BSや地方局の深夜アニメ(ネット少々)や作風の概念に捉われず、もっと皆に知られるべき作品であると訴えます!!頼むぞ地上波!!!

ちなみに放送直後、地元の大手レンタル店を数軒回りましたが、DVDBD殆ど置いてないんですよ…。あっても片隅に2本ずつとか(涙)

もしもキー局なんかで放送が決まった暁には、今度は自分がこの作品の良さを伝える立場になってやりますともよ!!

 

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